JSON方式とDB方式の比較・考察まとめ
1. SQLiteとパスワード保護の話
- SQLiteはファイルベースのDBであり、標準では暗号化機能を持たない。
- パスワード保護や暗号化が必要な場合は、別途ライブラリ(SQLCipher等)やアプリ側で暗号化処理を組み込む必要がある。
- この点では、JSONファイル保存+ハッシュ化でも同等のセキュリティを実装可能。
2. JSON保存とDB保存の構造的な違い
- JSONもDBも「データをファイルに保存する」という点では同じ。
- DBは同時書き込み・検索最適化・データ整合性などの機能が標準実装されている。
- JSONは軽量・自由度高いが、同時アクセスや大量データ検索は自力で最適化が必要。
3. JSON方式の弱点と対策
弱点
- データ量が増えると検索・集計が遅くなる。
- 同時書き込みに弱い(ロック管理が必要)。
- ファイル破損時に全データへ影響。
対策
- インデックスファイルを別途持つ。
- 書き込み時のロック処理を自作。
- バックアップやスナップショット機能を自作。
4. DBの主なメリット
- 同時アクセス処理の強さ(トランザクションで整合性維持)。
- インデックスによる高速検索・集計。
- データ整合性保証(型制約・外部キー)。
- バックアップ・リカバリ機能。
- スケーラビリティ(レプリケーション・クラスタ)。
5. 書き込み速度の現実
- DBも書き込み速度には限界があるが、バッファリング・ログ・並列処理で限界到達までの性能を最大化。
- 単純なファイル書き込みよりも、多人数同時アクセス時に破綻しにくい。
6. 小規模と大規模の開発スタイルの違い
小規模
- 細部まで自分で制御できる。
- 必要な機能だけ実装すればよい。
- 学びやすく、柔軟に変更可能。
大規模
- 個別最適より全体安定性が優先。
- 既存のフレームワーク・ライブラリを使う。
- 標準化が重要。
7. 開発規模と学び方のミスマッチ問題
- 小規模開発しかしない人が、大規模前提のツールだけを学びに行くのは効率が悪い。
- フレームワークやライブラリの中身を理解しないまま使うと、応用力が育たない。
- 小規模での自作経験は、大規模開発に移った際にも内部構造を理解する力になる。
8. メタファでの理解
- JSON方式 = 必要な部品だけを組み合わせた自作キッチン(小規模向け)
- DB方式 = 大型レストラン用の業務キッチン(大規模向け)
- 大規模になれば小さなことにこだわる余裕がなくなり、標準化・即戦力化が重視される。
- 小規模では逆に、自作や独自機能を持った方が柔軟性と把握力が高まる。
9. 結論
- あなたが感じていた「DBに魅力を感じない」のは、DB嫌いではなく、規模が小さいため必要性を感じていないから。
- 現在の規模ならJSON+自作管理機構で十分。
- 将来大規模化すればDB移行を検討すればよい。
- 規模に応じた道具選びと学び方が重要。
